服の配色の決め方 ― 面積・色相・トーンで組み立てるコーディネート
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服の色合わせは、面積・色相・トーンの3つで組み立てられます。トップス・ボトムス・アウターでは、装いに占める割合が大きく異なるためです。
この記事では、色彩101の配色シミュレーターで使っている服の絵15点の面積比を実測値で示しながら、色の組み合わせを決める手順を説明します。読みながらその場で色を動かして確かめられます。
- 服の配色は、面積で考える
- 色相で決める ― 揃えるか、離すか
- トーンで決める ― 明るさと鮮やかさ
- よく使う5つの組み方
- メンズの基本 ― スーツとジャケパン
- 装いごとの実例
- ビジネスカジュアルの色
- 実際に色を動かして試す
- よくある質問
服の配色は、面積で考える
説明には、配色シミュレーターのジャケットパンツコーデの絵を使います。この絵は4つの面に分かれています。
それぞれが絵の中で占める割合は、次のとおりです。
| 面 | 絵に占める割合 |
|---|---|
| パンツ | 49% |
| ジャケット | 37% |
| トップス | 12% |
| パンプス | 2% |
パンツとジャケットの2面で86%を占めます。靴の色を変えたときに変わるのは、わずか2%です。目に入る色の大部分は、面積の大きい2〜3面が占めています。
ほかの絵でも同じ傾向が出ます。15点の服の絵で、いちばん大きい面が占める割合を並べます。
| コーデ | いちばん大きい面 | 上位2面の合計 |
|---|---|---|
| 浴衣 | 浴衣 90% | 98% |
| サマーワンピース | ワンピース 86% | 92% |
| シャツワンピース | ワンピース 84% | 91% |
| トレンチコート | コート 74% | 92% |
| ブラウスとスカート | スカート 66% | 92% |
| シャツワンピースとレギンス | シャツワンピース 63% | 82% |
| ニットとワイドパンツ | ワイドパンツ 61% | 82% |
| コートとパーカー | コート 60% | 79% |
| マウンテンパーカー | パーカー 59% | 76% |
| チェスターコート | コート 53% | 83% |
| ニットとスラックス | ニット 52% | 92% |
| Tシャツコーデ | Tシャツ 52% | 96% |
| ジャケットパンツ | パンツ 49% | 86% |
| ロングカーディガン | スカート 47% | 85% |
| スーツ | ジャケット 44% | 86% |
15点のうち13点で、上位2面が全体の8割を超えます。色を決める順番は、この2面から始めます。靴・バッグ・ベルト・ネクタイは合わせて数%から十数%にとどまり、最後に決める面になります。
アウターを着る装いでは、アウターがいちばん大きい面になります。トレンチコートで74%、チェスターコートで53%です。コートの色を先に決めておけば、中に着る服の選択肢を絞れます。
色相で決める ― 揃えるか、離すか
色相は、赤・黄・緑・青といった色みの性質です(色の三属性の解説)。面積の大きい2面の色相をどう扱うかによって、組み方は3通りに分かれます。
| 組み方 | 色相環での位置 | 装いに出る違い |
|---|---|---|
| 同じ色相 | 同じ位置 | 上下の色みがそろい、体の線がつながって見えます |
| 近い色相 | 隣り合う範囲 | 色みの方向はそろえたまま、2色の違いが出ます |
| 離れた色相 | 向かい合う位置 | 上下の境目がはっきりします |
色相環で向かい合う関係は補色と呼ばれます。既存の記事に、離れた色相を使った実例があります ― ブルーとイエローの組み合わせ/近い色相で組んだTシャツとジーンズ。
トーンで決める ― 明るさと鮮やかさ
トーンは、明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)をまとめて扱う考え方で、PCCS(日本色研配色体系)で体系化されています(PCCSの色相環とトーン概念図)。
色相とトーンのどちらを揃えるかで、2つの組み方があります。
- トーンオントーン配色 ― 色相を揃えて、トーンを変えます。同じ青でも、明るい青と濃い青を組み合わせる形です。実例 ― ブルー系のトーンオントーン/ベージュ系のワンピース
- トーンイントーン配色 ― トーンを揃えて、色相を変えます。同じくらいの明るさ・鮮やかさで、色みだけ変える形です
色を1つのトーンに寄せるトーナル配色、色相もトーンも近い範囲に収めるカマイユ配色・フォカマイユ配色という組み方もあります。
よく使う5つの組み方
面積・色相・トーンの3つを組み合わせると、実際の装いは次の5通りに整理できます。これは色彩101による整理です。
- ワントーンでまとめる ― 面積の大きい2面を、同じ色相・近いトーンでそろえます。ニットとスラックスの絵では、この2面で92%を占めます。残る8%がシャツと靴です
- 大きい面2色+差し色1つ ― 上下で2色を決め、小さい面に3色目を置きます。ニットとワイドパンツの絵ではトートバッグが15%を占め、差し色の面としては大きいほうです
- 無彩色で仕切る ― 色と色の間に白・黒・グレーを挟みます。リープマン効果の解説で、明度差の役割を扱っています
- 色数を3つまでに収める ― 使ってよい色数の上限を明確に定めた基準は、色彩101では確認できていません。色数を数える代わりに、面積の8割を占める2面の色みがそろっているかを見ます
- 柄の中の1色を拾う ― 柄物を着る場合は、柄に使われている色の1つを、ほかの面にも使います。柄と無地の色みがそろいます
多色でまとめた例がこの記事に、色数を絞った例がこの記事とこの記事にあります。
メンズの基本 ― スーツとジャケパン
メンズの説明には、スーツスタイルの絵を使います。この絵は5つの面に分かれています。
それぞれが絵の中で占める割合は、次のとおりです。
| 面 | 絵に占める割合 |
|---|---|
| ジャケット | 44% |
| スラックス | 42% |
| ネクタイ | 5% |
| シャツ | 5% |
| 革靴 | 4% |
ジャケットとスラックスで86%を占めます。上下を同じ色にするスーツでは、この86%が1色になります。上下の色を変えるジャケパンでは、86%が2色に分かれます。
ネクタイ・シャツ・革靴は合わせて14%にとどまります。面積が小さいぶん、色を替えても装い全体の色みはほとんど変わりません。日々の変化はこの14%でつけ、86%は決めた色のままにする。こうした使い分けができます。
既存の記事に実例があります ― ベージュとネイビーのジャケパン/ブルー系ネクタイの合わせ方/シューズで考えるカラーコーディネート。
ネクタイとシャツは、顔の近くにくる面です。顔まわりの色と肌の色の関係については、パーソナルカラーで扱っています。
装いごとの実例
装いの種類が変わると、面積の大きい面も変わります。配色シミュレーターの服の絵から5点を挙げます。
トレンチコート ― コートが74%
コート74%・マフラー18%・ロングブーツ6%・ワンピース1%。コートが4分の3を占め、中に着るワンピースは1%しか見えません。色で変化をつけられるのは、マフラーの18%です。
→ 試す
浴衣 ― 浴衣が90%
浴衣90%・帯8%・帯締め1%・下駄1%の4面です。15点のうち、1つの面への集中がもっとも強い絵になります。色の変化は、帯の8%と帯締めの1%でつけることになります。
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サマーワンピース ― ワンピースが86%
ワンピース86%・ベルト6%・ショルダーバッグ4%・スニーカー4%の4面です。ワンピースが大半を占めるため、残る14%をベルト・バッグ・靴の3点で分け合います。
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ニットとワイドパンツ ― バッグが15%
ワイドパンツ61%・ニット21%・トートバッグ15%・スニーカー3%。バッグが15%を占め、差し色に使える面積があります。ニットとバッグの色相を離せば、装いの中に2つの色みが並びます。
→ 試す
コートとパーカー ― コートが60%
コート60%・パンツ19%・パーカー17%・ブーツ4%。パーカーの色は、フードと裾に出ます。コートを開けたときに見える面が17%あるため、コートの内と外で色を変える組み方も試せます。
ビジネスカジュアルの色
ジャケットとスラックスで8割以上を占める装いでは、この2面の扱いが出発点になります。組み立て方を3つ挙げます。これは色彩101による整理です。
- 上下を同じ色相にする ― 紺のジャケットと紺のスラックスのように、86%を1つの色みでそろえます。変化はシャツとネクタイの14%でつけます
- 上下の明度を変える ― 色相はそろえたまま、明るさだけを変えます。紺のジャケットにグレーのスラックスを合わせる組み方です
- 上下の色相を離す ― ベージュのジャケットに紺のスラックスを合わせるように、色みの方向そのものを変えます。上下の境目がはっきりします
既存の記事に営業職向けの実例があります ― 営業職向けカラーコーディネート例。働く場面での色の実例はこの記事にもあります。
職場によって装いの決まりは異なります。色を選ぶ前に、その職場で許容される範囲を確かめておきます。
実際に色を動かして試す
ここまでの内容は、配色シミュレーターで確かめられます。絵の中の面をクリックして色を選ぶと、その場で塗り替わります。会員登録は不要です。
服の絵はレディース9点・メンズ6点そろえています。インテリアの絵も6点あり、部屋の配色を同じ3つの軸で試せます。
よくある質問
黒ばかりの服になってしまいます
黒が面積の8割を占めている場合は、残る2割の面で色を足す方法があります。対象になるのはバッグ・靴・マフラーです。ニットとワイドパンツの絵ではバッグが15%、トレンチコートの絵ではマフラーが18%を占めます。
柄物と無地はどう合わせますか
柄に使われている色から1色を選び、それを無地の面に使う方法があります。柄と無地の色みがそろい、装い全体の色数も増えません。
上下どちらを明るくしますか
上下のどちらを明るくするかを明確に定めた基準は、色彩101では確認できていません。配色シミュレーターで上下を入れ替え、両方を見比べる方法があります。同じ2色でも、置く面が変われば見え方は変わります。
似合う色はどう選びますか
この記事で扱ったのは、色と色の関係です。肌や髪の色と服の色の関係はパーソナルカラーで扱っており、顔に近い面(シャツ・ネクタイ・スカーフ)が関わります。
参考文献・データの出典
- 面積比の数値 ― 色彩101 配色シミュレーターの素材データ(2026年9月時点)。絵ごとに各面の占有率を測定した自社の実測値です
- 配色パターンの件数 ― 色彩101 配色パターンデータベース265件(2026年9月時点)
- 色彩検定協会「各級の目安」 ― 3級で「色のはたらき、照明、配色、ファッション、インテリアなど」を学習範囲としています(公式サイト)
関連情報・次の一歩
- 色を動かして試す ― 配色シミュレーター(服15点・インテリア6点)
- 自分に似合う色を知る ― パーソナルカラーとは(イエベ・ブルベと4シーズン)
- 部屋の配色も同じ3つで考える ― 部屋の配色の決め方
- 色の理論を体系的に学ぶ ― 色の三属性 / PCCSとは(色相環・トーン概念図) / 色彩検定の学習法 / 検定問題集で力試し
- 色を眺めて選ぶ ― 色名データベース(202色) / 配色パターン一覧(265件)
- コーディネートの記事をもっと見る ― レディース / メンズ
- 今日着た色を記録する ― 気分を色で選んで記録するカラージャーナル Chromaterra