部屋の配色の決め方 ― 面積・色相・トーンで考えるインテリアの色

部屋の配色の決め方 ― 面積・色相・トーンで考えるインテリアの色

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部屋の配色は、面積の大きい面から順に決めていくと迷いにくくなります。壁・床・カーテン・ソファ・ラグでは、視界に占める割合が大きく異なるためです。

この記事では、色彩101の配色シミュレーターで使っているインテリアの絵6点の面積比を実測値で示しながら、面積・色相・トーンの3つで部屋の色を組み立てる手順を説明します。読みながらその場で色を動かして確かめられます。

部屋の色は、面積の大きい面から決まる

説明には、配色シミュレーターのリビングの絵を使います。この絵は6つの面に分かれています。

この記事で使うリビングの絵。壁・カーテン・ソファ・クッション2種・ラグの6面に分かれており、面積比は壁50%、ラグ18%、ソファ17%、カーテン8%、クッション外4%、クッション内3%
この記事で使うリビングの絵と、6面が絵に占める割合(色彩101 実測値)

それぞれが絵の中で占める割合は、次のとおりです。

絵に占める割合
50%
ラグ18%
ソファ17%
カーテン8%
クッション(外)4%
クッション(内)3%

壁の色を変えれば、視界の半分が入れ替わります。クッションの色を変えたときに変わるのは、わずか3%です。同じ「色を変える」という作業でも、部屋全体に及ぶ範囲にはこれだけの開きがあります。

リビングの絵を3つ並べた比較。基準の配色、壁だけを濃い青に変えた例、クッションだけを青に変えた例。壁を変えると絵の50%が入れ替わり、クッションを変えても4%しか動かない
壁を変えると絵の50%が、クッションを変えると4%が入れ替わる(色彩101 配色シミュレーター)

そこで、決める順番を面積の大きい順にします。

  1. 壁・床 ― 変えるには工事が必要な面です。部屋全体の下地にあたります
  2. 大きな家具 ― ソファ・ベッド・テーブル。買い替えの周期が長い面です
  3. カーテン・ラグ ― 面積は中くらいで、比較的買い替えやすい面です
  4. クッション・小物 ― 数%にとどまる面です。季節ごとに入れ替えられます

この順で進めれば、あとから変えにくい面ほど先に固まります。小物の色で迷ったときは、すでに決まっている大きい面を基準に選べます。

色見本のような小さな面で見た色と、壁一面に塗った色とでは、同じ色でも印象が変わることがあります。この現象は面積効果と呼ばれます。塗料や壁紙は、できるだけ大きな見本で確かめてから決めます。

面積・色相・トーンの3つで決める

決める順番が固まったら、次は「どの面にどの色を置くか」です。判断の手がかりになる軸が3つあります。

決めること手がかり
面積どの面から決めるか視界に占める割合の大きい順
色相色みを揃えるか、変えるか色相環での距離
トーン明るさ・鮮やかさを揃えるか、変えるかPCCSのトーン概念図

色相 ― 色みの方向を揃えるか、離すか

色相は、赤・黄・緑・青といった色みの性質です(色の三属性の解説)。部屋の中で色相をどう扱うかは、大きく3通りに分かれます。

  • 色相を揃える ― 壁・カーテン・ラグを同じ色みでまとめます。使う色の数が減ります
  • 近い色相にする ― ベージュと黄み、青と青緑のように、色相環で隣り合う範囲に収めます
  • 色相を離す補色のように、色相環で向かい合う色を組み合わせます。面と面の境目がはっきりします

既存の記事に、色相を離した実例があります ― 白に合わせた黄緑と紺色の組み合わせ

リビングの絵を3つ並べた比較。色相を黄み側に揃えた例、黄みから緑みへ隣り合う色相に収めた例、壁の黄みに対してソファとカーテンを青みにした例
同じ部屋で、色相の扱いだけを変えた3例(色彩101 配色シミュレーター)

トーン ― 明るさと鮮やかさをまとめて見る

トーンは、明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)をまとめて扱う考え方で、PCCS(日本色研配色体系)で体系化されています(PCCSの色相環とトーン概念図)。

色相を揃えてトーンを変える組み方はトーンオントーン配色、トーンを揃えて色相を変える組み方はトーンイントーン配色と呼ばれます。カーテンでトーンオントーンを使った例がこちらの記事にあります。

面積とトーンの組み合わせ方(色彩101による整理)

大きい面と小さい面で、扱いを変える方法があります。これは色彩101による整理です。

  • 壁・床のように面積の大きい面は、彩度を抑えた色にしておくと、あとから置く家具や小物の色を選びやすくなります
  • クッションやランプのように面積の小さい面なら、鮮やかな色を使っても、絵の中で占める割合は数%にとどまります
  • 壁に鮮やかな色を使う場合は、家具と小物の色数を絞ると、全体の色数が増えすぎません

部屋別に見る(6つの空間)

配色シミュレーターには6つの空間の絵があります。まず、それぞれで面積のいちばん大きい面を並べます。数値は2026年9月時点の素材データの実測値です。

空間面の数いちばん大きい面上位2面の合計
和室3壁 80%90%
ワークスペース6壁 59%78%
リビング6壁 50%68%
キッチン5壁 49%78%
ダイニング7壁 41%58%
ベッドルーム7壁 36%56%

6つとも、いちばん大きい面は壁です。面の数が増えるほど、壁の割合は下がります。面が3つの和室では壁だけで8割を占め、面が7つのベッドルームでは36%にとどまります。

面の数が少ない空間ほど、壁の色がそのまま空間の色になります。面の数が多い空間には、壁以外の面で色を組み立てる余地があります。

6つの空間で壁が占める割合の帯グラフ。和室80%、ワークスペース59%、リビング50%、キッチン49%、ダイニング41%、ベッドルーム36%
面の数が3つの和室は壁が80%、面が7つのベッドルームは36%(色彩101 実測値)

リビング ― 壁とラグで68%

壁50%・ラグ18%・ソファ17%・カーテン8%・クッション2種で7%の6面です。壁とラグの2面だけで、絵の3分の2を超えます。この2面を近い色でまとめると、色みが異なる面はソファとクッションだけになります。

リビングの配色を試す

ダイニング ― 面が7つに分かれる

壁41%・床17%・カーテン15%・ラグ12%・椅子10%・テーブルクロス4%・ランプ1%。面の数が多いぶん、色数も増えやすい空間です。壁と床とカーテンで73%を占めるため、この3面の色みを近づけておけば、椅子とテーブルクロスの色は自由に選べます。

ダイニングの配色を試す

ベッドルーム ― 寝具の面積が大きい

壁36%・カーテン20%・布団カバー15%・ラグ13%・床11%・ブランケット3%・枕2%。布団カバーは15%を占め、洗い替えで色を変えられる面としては大きいほうです。壁とカーテンの2面で56%になります。

既存の記事に実例があります ― 落ち着きのある青色の壁の部屋ベッドルームのカラーコーディネート

ベッドルームの配色を試す

ワークスペース ― 壁が6割

壁59%・床19%・ラグ13%・チェア4%・デスク4%・シェルフ1%。壁の割合は6つの空間のうち和室に次いで大きく、壁の色を変えたときの変化がはっきり出ます。チェアとデスクは合わせて8%にとどまります。

ワークスペースの配色を試す

キッチン ― 壁と床で78%

壁49%・床29%・下部キャビネット16%・上部キャビネット5%・スツール1%。壁と床の2面で8割近くに達します。キャビネットは上下で色を分けられるため、下だけ濃い色にする組み方も試せます。

キッチンの配色を試す

和室 ― 壁が8割

壁80%・座卓10%・座布団10%の3面です(障子と畳は元の色のままにしてあります)。面が3つしかないため、壁の色がそのまま空間の色になります。座卓と座布団は各10%で、両方を変えれば絵の2割が変わります。

和室の配色を試す

リビング・ダイニング・ベッドルーム・ワークスペース・キッチン・和室の6つの空間を同じ配色の考え方で組んだ例を並べた図
6つの空間を、同じ配色の考え方で組んだ例(色彩101 配色シミュレーター)

イメージから決める

「ナチュラルな部屋にしたい」「モダンにまとめたい」というイメージが先にある場合は、そのイメージの色使いをもとに各面の色を決められます。

色彩101の配色パターン一覧は265件あり、イメージで絞り込めます。件数の内訳は次のとおりです。

イメージ配色パターンの件数色使いの解説
ナチュラル89件ナチュラルの配色
モダン44件モダンの配色
カジュアル43件カジュアルの配色
クール42件配色イメージまとめ
クラシック31件クラシックの配色
ロマンチック24件ロマンチックの配色
エレガント14件エレガントの配色
アクティブ10件アクティブの配色

配色パターンで選んだ色は、そのまま配色シミュレーターの絵に当てて確かめられます。パターンの詳細ページに「イラストに当てて見る」の入口があります。

ベージュと白でまとめた例がこの記事に、薄いオリーブでまとめた例がこの記事にあります。

小さい面の色の選び方

クッション・ランプ・座布団のように、絵の1〜4%を占める面です。ここで色を足す方法を3つ挙げます。いずれも色彩101による整理です。

  1. 大きい面と色相を離す ― 壁がベージュなら、クッションを青や緑にします。小さい面なので、色を足しても絵に占める割合は数%にとどまります
  2. 色相を揃えてトーンだけ変える ― 壁と同じ色みのまま、鮮やかさや明るさを変えます。使う色を増やさずに変化がつきます
  3. 白・黒・グレーを間に挟む ― 色と色の間に無彩色を置く組み方です。リープマン効果の解説で、明度差の役割を扱っています

クッションが2種類ある部屋(リビング)では、外側と内側で1と2を使い分けられます。外側で色相を離し、内側は壁と同じ色みにそろえる、といった組み方です。

リビングのクッションの色を変えた3例。大きい面と色相を離した例、色相を揃えてトーンだけ変えた例、白とグレーの無彩色にした例
絵の3〜4%を占めるクッションで色を足す3つの方法(色彩101による整理)

決めた色を、買う前に確かめる

画面上で決めた色と、実際に部屋へ置いた色とでは見え方が変わります。買う前に確かめておきたい手順を3つ挙げます。

  1. 大きな見本で見る ― 塗料・壁紙・カーテンの生地は、A4以上の見本を取り寄せて、実際に貼る面に当てて見ます。小さな色見本と壁一面では、同じ色でも印象が変わることがあります
  2. その部屋の照明で見る ― 店頭の照明と自宅の照明では光の色が違います。見本は必ず自宅に持ち帰り、その部屋で使う照明の下で確かめます
  3. 昼と夜の両方で見る ― 昼は窓からの光、夜は照明の光になります。両方で見ておくと、時間帯による差の大きさがわかります

床や壁のように面積が大きく、あとから変えにくい面ほど、この3つを丁寧に踏む意味があります。

実際に色を動かして試す

ここまでの内容は、配色シミュレーターで確かめられます。絵の中の面をクリックして色を選ぶと、その場で塗り替わります。会員登録は不要です。

色の選び方は3通り用意しています。

  • 色相とトーンから選ぶ ― 色相環とトーンの並びから選びます。この記事で扱った「色相」「トーン」の軸を、そのまま操作できます
  • 色名から選ぶ色名データベースの202色から選びます。桜色・浅葱色のように、名前のついた色で組み立てられます
  • 配色パターンから選ぶ配色パターン265件の組み合わせを、そのまま絵に流し込めます

作った配色は「みんなの配色」に残せます。ほかの人が作った配色を見ることもできます。インテリアの絵は6点、服の絵は15点そろえています。

よくある質問

賃貸で壁の色を変えられません

壁を変えられない場合、面積の大きい面はカーテンとラグになります。リビングの絵では、この2面で26%を占めます。まずこの2面を決め、そこにソファとクッションを合わせる順番になります。

家族で好みの色が分かれます

面積によって役割を分ける方法があります。共有する空間の大きい面(壁・床)は全員が納得できる色にそろえ、個人の好きな色は面積の小さい面(クッション・小物)や個室に置きます。

何色まで使ってよいですか

使ってよい色数の上限を明確に定めた基準は、色彩101では確認できていません。色数を数える代わりに、面積の合計で見る方法があります。絵の7割を占める面(壁・床)の色みがそろっていれば、残る3割で色数が増えても、全体の色みの方向は変わりません。

昼と夜で色が違って見えます

照明の色によって、部屋の色の見え方は変わります。色を選ぶときは、その部屋で実際に使う照明の下で確かめます。昼と夜の両方を見ておくと、差の大きさがつかめます。

参考文献・データの出典

  • 面積比の数値 ― 色彩101 配色シミュレーターの素材データ(2026年9月時点)。絵ごとに各面の占有率を測定した自社の実測値です
  • 配色パターンの件数 ― 色彩101 配色パターンデータベース265件(2026年9月時点)
  • 色彩検定協会「各級の目安」 ― 3級で「色のはたらき、照明、配色、ファッション、インテリアなど」を学習範囲としています(公式サイト

関連情報・次の一歩

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