マリメッコのピンク×ベージュ ── 甘い配色が大人びてロマンチックに見えるのはなぜか
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ピンクとベージュを並べると、たいてい甘く、少しぼんやりする。同じ組み合わせなのに、マリメッコの配色はどこか大人びて、ロマンチックにさえ見える。その印象はいったいどこから来るのか。1枚の投稿写真を、色の粒まで分解してみます。
淡いピンクとベージュ、そして引き締め役の焦げ茶。この3色の役割分担がポイントです。
甘い配色が大人びてロマンチックに見える理由は、「淡い2色でやわらかさをつくり、濃い1色で全体を引き締める」という明暗の役割分担にあります。甘さを消すのではなく、深い色で受け止めることで、幼さがロマンチックさへと変わります。
大人びた印象の正体は、明るい2色の「濁り具合」にありました。
この投稿の色
まず目に入るのが、桜より少しくすんだピンク ■ #ECCBC1。PCCSでいうとペールトーンに近く、これは白をたっぷり混ぜて明度を上げ、鮮やかさを抑えた「軽くて柔らかい」色みのグループです。ビビッドなショッキングピンクが「主張する甘さ」なら、こちらは肌になじむ「引いた甘さ」。写真の中では広い面積を占めて全体の基調をつくり、見る人の緊張をほどく役目を果たしています。強く出ないぶん、隣にどんな色が来ても喧嘩しません。 | |
次がベージュ ■ #E4CCB4。1色目のピンクと同じくペールトーンの仲間で、明るく穏やかな点は共通ですが、色みが黄み寄りにずれています。ピンクとベージュは色相こそ違うものの、明るさと「くすみ加減」がそろっているので、並べても段差ができず、すっと溶け合って見えるのです。写真ではピンクの甘さを地味な方向へ中和し、全体を「かわいい」から「心地よい」へ寄せる調整役。この控えめな橋渡しがあるおかげで、配色が幼くならずに済んでいます。 | |
最後に効いているのが、焦げ茶 ■ #663323。明度を大きく落とし、深く沈んだダークトーンで、重み・安定・大人っぽさを一手に引き受けます。淡い2色だけだと全体がふわっと浮いてぼやけますが、ここに濃い茶が小さく入るだけで画面に芯が通り、輪郭が締まる。面積はおそらく最小でも、影響力は最大。淡色を「甘いだけ」で終わらせない、いわばアンカー(錨)の役割です。この一点があるから、ピンク×ベージュが子どもっぽく崩れず、むしろ大人びたロマンチックさへと傾くのだと分かります。 |
この配色をそのまま使うなら、#ECCBC1(くすみピンク)と #E4CCB4(ベージュ)を広い面積に、#663323(焦げ茶)をアクセントとして少量。淡い2色は明るさとくすみ加減がそろっているため、割合を変えても破綻しにくいのが特徴です。
淡い配色が「幼く」見えて悩んだら、面積のごく一部にダークトーンの色を1つだけ足してみてください。全体の明るさは保ったまま輪郭だけが締まり、甘さが大人びたロマンチックさへと変わります。
淡い2色でやわらかさをつくり、濃い1色で引き締める。マリメッコのピンク×ベージュが甘いのに大人びて、ロマンチックに見えるのは、この明暗のバランスに支えられていました。