ウズベキスタンのリシタンより、手作業の陶器と日本人学校(専門店:kinuya select様)
今回はウズベキスタン・フェルガナ州リシタン市の陶器職人が手がけた美しい陶器や雑貨を買い付け、販売しているkinuya select様をご紹介させていただきます。
kinuya selectの代表、⾼島 ⾥英さんは2018年にはじめてウズベキスタンを訪問されました。その際見かけた陶器の美しさに魅了され、翌年には日本でオンラインショップを開設し、現在陶器の販売と現地日本人学校の支援を行われています。今回ウズベキスタンの陶器と日本とのゆかりについて、高島さんのお言葉にてご紹介させていただきます。
kinuya selectの代表、⾼島 ⾥英さんは2018年にはじめてウズベキスタンを訪問されました。その際見かけた陶器の美しさに魅了され、翌年には日本でオンラインショップを開設し、現在陶器の販売と現地日本人学校の支援を行われています。今回ウズベキスタンの陶器と日本とのゆかりについて、高島さんのお言葉にてご紹介させていただきます。
もくじ
- ウズベキスタンの美しい陶磁器
- リシタン 日本とのゆかり深く
- Kinuya Select
- 後記 ~コバルトブルーに魅了されて~
ウズベキスタンの美しい陶磁器
遥かなる時の流れのなかで、⽂化の均衡点として栄えてきた中央アジア。⻄と東が交わるシルクロード沿いの国ウズベキスタンでは、中国の陶磁器とペルシ アの顔料が出逢い、⾊鮮やかで美しい陶器が数多く⽣まれました。
⻩や緑地に太陽や植物のモチーフを描いたギジュドゥバン、緻密な幾何学模様 が美しいホレズム、鮮やかなブルーが魅惑的なリシタン。時代が移り変わった 現代でも、技巧を凝らした陶器がウズベキスタン各地で作られています。
そして、ウズベキスタンで最も著名な陶⼯職⼈の⼀⼈が、リシタンで⼯房を営むアリシェル・ナジロフ⽒。若かりし頃に⽇本で九谷絵付けを学び、その製陶技術は他の職⼈と⼀線を画します。ソ連時代に失われた伝統技術を現代に蘇らせ、世界三⼤美術館の⼀つ「エルミタージュ美術館」に作品を寄贈した実績も。
アリシェル⼯房の陶器には、リシタン周辺で採れる粘⼟や草⽊など、伝統的な天然原料を使⽤。鮮やかなコバルトブルーと深いジャスパーグリーンのコントラストは、アリシェル⼯房でしか出せない⾊合いとして世界中に愛好家を持ちます。
また現在、ウズベキスタン国内で流通する陶器の約90%がリシタン市内にある⼯房で⽣産されています。リシタンらしいブルーの陶器はもちろん、お⼟産やギフト⽤に作られたカラフルな陶器も豊富。⼩花柄が華やかなケーキ⽫、真っ⾚なザクロ模様が⽬を惹くシチュー⽫、繊細な絵付けのタイルなど、趣向を凝らした作品が⽇々作られています。
⻩や緑地に太陽や植物のモチーフを描いたギジュドゥバン、緻密な幾何学模様 が美しいホレズム、鮮やかなブルーが魅惑的なリシタン。時代が移り変わった 現代でも、技巧を凝らした陶器がウズベキスタン各地で作られています。
世界遺産「イチャン・カラ」にて
アリシェル⽒の⼯房
アリシェル⼯房で作られたマグカップ
カラフルな花柄が楽しいケーキ⽫
リシタン陶器らしいブルーのタイル
富と繁栄の象徴であるザクロが描かれたシチュー⽫
リシタン 日本とのゆかり深く
陶器の町として有名なリシタンは、実は⽇本とのゆかりが深い⼟地。1999 年に無償の⽇本語学校「Noriko 学級」が故・⼤崎⽒によって設⽴されると、町のあちらこちらから元気な⽇本語が聞こえるようになりました。残念ながら設⽴者である⼤崎⽒は2005 年にこの世を去りましたが、Noriko 学級は今⽇もガニシェル・ナジロフ学校⻑の元、リシタンの⼦ども達に別け隔てなく⾨⼾を開いています。
そしてNoriko 学級は今、リシタンの⼦ども達が陶芸を学べる場としても姿を変えました。陶器の町として有名なリシタンですが、他に⽬⽴った産業はなく、若者の働き⼝が極めて少ない⼟地柄。特に家庭環境に恵まれない⼦ども達は、⾃⼒で貧困から抜け出すことが難しい状況です。
そこでNoriko 学級は、建物の⼀部を陶芸教室として改装。町の陶⼯職⼈を講師として招き、リシタン陶器の次世代の担い⼿を育成することにしました。今⽇もNoriko 学級では、リシタンの⼦ども達が将来のための知識や技術を精⼀杯学んでいます。
Noriko 学級で⽇本語を学ぶリシタンの⼦ども達
そこでNoriko 学級は、建物の⼀部を陶芸教室として改装。町の陶⼯職⼈を講師として招き、リシタン陶器の次世代の担い⼿を育成することにしました。今⽇もNoriko 学級では、リシタンの⼦ども達が将来のための知識や技術を精⼀杯学んでいます。
Noriko 学級の陶芸教室で作られたタイル
Kinuya Select
kinuya select は、ウズベキスタンの⾊鮮やかな陶磁器や雑貨を輸⼊販売するオンラインショップです。「我が家に砂漠の花が咲く」をコンセプトに、⽇々に彩りを添えるアイテムを取り揃えています。
◎オンラインショップ
◎Twitter
◎Instagram
⽂・写真:⾼島 ⾥英
kinuya select の代表。札幌⼤学ロシア語学科を2014 年に卒業。2018 年に初めてウズ
ベキスタンを旅⾏し、中央アジアの伝統⼯芸や陶磁器の美しさに魅了される。2019 年
5 ⽉からウズベキスタンの陶磁器を輸⼊販売するオンラインショップを開設。2019 年
10 ⽉からNoriko 学級のサポートを始め、陶芸教室に対する出資を⾏う。
◎オンラインショップ
⽂・写真:⾼島 ⾥英
kinuya select の代表。札幌⼤学ロシア語学科を2014 年に卒業。2018 年に初めてウズ
ベキスタンを旅⾏し、中央アジアの伝統⼯芸や陶磁器の美しさに魅了される。2019 年
5 ⽉からウズベキスタンの陶磁器を輸⼊販売するオンラインショップを開設。2019 年
10 ⽉からNoriko 学級のサポートを始め、陶芸教室に対する出資を⾏う。
後記 ~ コバルトブルーに魅了されて ~
コバルトブルーを基調に緑と赤でデザインされた自然模様や幾何学模様。今回、この海外の民族模様の陶器に日本の伝統工芸が関わっていることを知り、日本人として誇らしく嬉しい気持ちになりました。
コバルトブルーは日本の伝統色名では瑠璃色が近似色です。藍色とともに紺色を代表する色で、その鮮やかな深い青は、心を落ち着け整理し、ひとつひとつを丁寧に実現していく、そんな気持ちを支えてくれる色です。そのような雰囲気と、赤や緑のナチュラルでカジュアルな元気の出るデザインとのバランスが魅力的ですね。
色彩文化は伝統文化です。このカラフルで明るく楽しさのある模様は、多くの人を元気にする力を持っていると感じます。
日本の慎ましい伝統的な色の美の追求も素晴らしいものですが、同時にこのような手書きデザインの温かさも素晴らしく、それを大切にする社会を維持することも私たちには必要だと思います。
色彩の魅力は万人に共通。より多くの方が素敵な色彩に出会い、心豊かな日々を過ごすためのヒントが、このウズベキスタンの陶器にも秘められていると感じます。
コバルトブルーは日本の伝統色名では瑠璃色が近似色です。藍色とともに紺色を代表する色で、その鮮やかな深い青は、心を落ち着け整理し、ひとつひとつを丁寧に実現していく、そんな気持ちを支えてくれる色です。そのような雰囲気と、赤や緑のナチュラルでカジュアルな元気の出るデザインとのバランスが魅力的ですね。
色彩文化は伝統文化です。このカラフルで明るく楽しさのある模様は、多くの人を元気にする力を持っていると感じます。
日本の慎ましい伝統的な色の美の追求も素晴らしいものですが、同時にこのような手書きデザインの温かさも素晴らしく、それを大切にする社会を維持することも私たちには必要だと思います。
色彩の魅力は万人に共通。より多くの方が素敵な色彩に出会い、心豊かな日々を過ごすためのヒントが、このウズベキスタンの陶器にも秘められていると感じます。
ライター・編集者
カラーオン Mitsuru
カラーコーディネーター自転車店勤務時代にウェブデザイン・チラシデザインの制作、オリジナルデザイン自転車(TVドラマでも使用)の企画を担当したことから色彩の世界へ。 「色彩が社会を元気にする!」をモットーに、多くの人が色・コーディネート・デザインを楽しめるようにコンテンツをご提供しています。