伝統技法:ほぐし織りを使用したデザイン性の高い傘(株式会社モンブラン様)
今回ご紹介するのは株式会社モンブラン様です。
ご紹介する商品は洋傘。でもそれはただ傘ではありません。
日本で販売されている傘の実に約98%が海外製という中、昔から続く伝統的な技法「ほぐし織り」の生地を使用した特別な日本製の美術洋傘です。
ご紹介する商品は洋傘。でもそれはただ傘ではありません。
日本で販売されている傘の実に約98%が海外製という中、昔から続く伝統的な技法「ほぐし織り」の生地を使用した特別な日本製の美術洋傘です。
株式会社モンブラン
モンブランさんは1960年に傘専門メーカーとして創業して以来、アート作品のような洋傘をつくり続けています。今回、同社取締役で東京都伝統工芸士でもある山口君枝さんにお話をお伺いしてきました。
山口さんは東京洋傘伝統工芸士7名の内のお一人で、販売用の洋傘の制作を行われるとともに、その伝統工芸品としての価値の普及・継続活動も行われています。
デザイン面でも、もともとデザイナーではない山口さんがお客様の目線でデザインのラフを作成し、常に完成したときのイメージを大切さ、商品としての発想を重視し、高級傘としてお客様に喜んで使っていただけるものを追求されています。
昔は全国に傘専門店がありましたが、時代の流れとともに減少していきました。現在モンブランさんでは自社運営店舗、百貨店販売、インターネット販売を行い、誰でもその品質に触れて頂けるよう幅広く展開されています。
デザイン面でも、もともとデザイナーではない山口さんがお客様の目線でデザインのラフを作成し、常に完成したときのイメージを大切さ、商品としての発想を重視し、高級傘としてお客様に喜んで使っていただけるものを追求されています。
昔は全国に傘専門店がありましたが、時代の流れとともに減少していきました。現在モンブランさんでは自社運営店舗、百貨店販売、インターネット販売を行い、誰でもその品質に触れて頂けるよう幅広く展開されています。
「ほぐし織り」とは
多くの傘はデザインされた絵柄を生地にプリントして、それを傘の骨に縫い付けていきますが、モンブランさんの洋傘ではプリントを行っていません。手捺染で糸に色を染めて柄を映しだした生地を使用しています。それもまず縦糸だけを手捺染で染め、そのあと横糸を通して生地にする日本の伝統技法「ほぐし織り」の生地を使用しています。
縦糸だけを着物のように手捺染で染めるためには、縦糸がバラバラにならないように仮縫いの横糸を通します。手捺染で一色ずつ色を重ねて模様を映しだし、完成した後に横糸を抜いてほぐしていくから、ほぐし織りと呼ばれます。
縦糸を手捺染で染めた状態(横糸は仮縫いのみ)
ほぐすした後、染めた柄は少しぼやけて見え、何とも言いがたい柔らかさのあるデザインに仕上がります。この心地よさはプリントでは出すことのできないほぐし織りならではのもので、傘のデザインとしてとてもなじみが出てきます。
ほぐした後、縦糸だけでは生地になりませんので、生地になるよう横糸を入れていきます。そうすることで1枚の裏表が別々の色・デザインの生地が出来上がります。
写真のように傘の内側に絵柄が入り外側は単色になったデザインは、プリント生地の場合2枚の生地を重ねて袋状にする必要がありますが、ほぐし織りではその必要がなく、1枚の生地でデザイン性が高く堅牢な商品を作ることができます。1枚の生地として織っているため生地の端もほつれにくくなっています。
折り畳み式の傘
このような生地を作るためには通常の倍以上の労力がかかりますが、デザイン性に優れ、丈夫な日本製高級傘として確かな品質維持し、また工芸品として継続してくためにその製法を変えることはありません。
1本の傘が出来上がるまでには約30名が関わり、一つ一つ石突からハンドル部分まで芯の強い傘が出来上がります。
ハンドル部分は主にカエデ素材を使用し、持つ部分も単なる筒状ではなく凹凸があり持ちやすい形状となっています。石突までの心棒は樫素材を使用し、骨にはカーボンを使用しています。(※商品により異なる場合があります。)
そうして出来上がった傘は、通常の傘よりももちろん値は張りますが、特別な1本として決して高くなく、多くの人がお買い求めいただける価格帯になっています。
縦糸だけを着物のように手捺染で染めるためには、縦糸がバラバラにならないように仮縫いの横糸を通します。手捺染で一色ずつ色を重ねて模様を映しだし、完成した後に横糸を抜いてほぐしていくから、ほぐし織りと呼ばれます。
縦糸を手捺染で染めた状態(横糸は仮縫いのみ)
ほぐした後、縦糸だけでは生地になりませんので、生地になるよう横糸を入れていきます。そうすることで1枚の裏表が別々の色・デザインの生地が出来上がります。
折り畳み式の傘
<工程>
- 仮織り
- 手捺染
- 蒸し
- 解す
- 本織り
- 防水
- 経ち ・・・ 生地の裁断
- 中とじ ・・・ 骨と生地の縫い合わせ
1本の傘が出来上がるまでには約30名が関わり、一つ一つ石突からハンドル部分まで芯の強い傘が出来上がります。
ハンドル部分は主にカエデ素材を使用し、持つ部分も単なる筒状ではなく凹凸があり持ちやすい形状となっています。石突までの心棒は樫素材を使用し、骨にはカーボンを使用しています。(※商品により異なる場合があります。)
ご紹介動画
商品紹介
傘は末広がりの縁起物で、贈答品や還暦のお祝いにもお勧めです。モンブランさんの商品は高級高品質で、コーディネートに合わせて数本所有する方もいらっしゃるくらい。単なる傘ではなく、コーディネートを楽しむ傘としてご覧ください。
ここでご紹介した商品はほんの一例です。ホームページにはこのようなデザイン性の高い商品が豊富に用意されていますので是非ご覧ください。
裏ほぐし織り 空港 ベージュ
外側はベージュの単色、内側には赤と黒のモダンなコーディネートの女性が描かれています。これからどこに向かおうとしているのか、情緒感漂う一コマの描写になっています。
ブロック パープル
パープルの濃淡で和の伝統的なデザインが表現されています。縁は淡い色で切り替えされ、大正ロマンの“はいから”な雰囲気が素敵です。
犬と猫 ピンク
雨の日に動物たちが楽しく踊っています。落ち着いた色で描かれたシルエットに、創造力をかき立てられます。
店舗のご紹介
〒130-0012 東京都墨田区太平2-19-1 佐藤マンション1階
TEL. 03-6751-9748
営業時間:9:30-18:00 土曜(不定休)・日・祝日休み
春から6月頃にかけては傘のシーズンで百貨店ではレインフェアも行われます。山口さんは時に傘の制作実演も行われるということで、機会があればぜひ見に行ってみてくださいね。
ライター・編集者
カラーオン Mitsuru
カラーコーディネーター自転車店勤務時代にウェブデザイン・チラシデザインの制作、オリジナルデザイン自転車(TVドラマでも使用)の企画を担当したことから色彩の世界へ。 「色彩が社会を元気にする!」をモットーに、多くの人が色・コーディネート・デザインを楽しめるようにコンテンツをご提供しています。