ライト・トーナス値とは(色と緊張の関係)
ライト・トーナス値をご存知でしょうか。ライト・トーナス値は光や色によって引き起こされる筋肉の反応(筋肉組織の緊張の度合い)を数値化したものです。今回は、そのライト・トーナス値と、緊張や興奮について考えてみたいと思います。
一般的に私たちは高彩度(鮮やかな色)、それも特に暖色系に興奮感を覚えます。反対に低彩度色や寒色系の色に沈静感や冷静さを覚えます。
光(色)による筋肉の緊張度はこの色の興奮度と同じような傾向にあるのでしょうか。
一般的に私たちは高彩度(鮮やかな色)、それも特に暖色系に興奮感を覚えます。反対に低彩度色や寒色系の色に沈静感や冷静さを覚えます。
光(色)による筋肉の緊張度はこの色の興奮度と同じような傾向にあるのでしょうか。
興奮度と緊張度
それではまずはじめに、興奮と緊張について考えてみましょう。緊張とは、何かの影響で自然な心身の状態が硬直して自分らしい言動が行えない状態として考えてみますね。
例えば少し怒り気味に興奮しているときは、全身に力が入ってしまい、身体が固まったり強張ったりする傾向にあります。そして興奮の度合いが一定の水準を超えると言葉がごもったり、動けなくなったりして、怒っていることをうまく相手に伝えることができなくなります。
一方、音楽のライブイベントに参加したときの興奮しているときはどうでしょう。盛り上がりが最高潮の時でも緊張しすぎることはなく、心身に適度に力が入っている状態ではないでしょうか。適度に興奮して、緊張した時間を過ごした後は、いい意味で疲れてすっきりとして感じになります。(※サウナに入った後のような感じですね。)
このように興奮と緊張は、一概に連動しているわけではありません。緊張は興奮-沈静(冷静)との連動だけで考えるのではなく、次のようにポジティブ-ネガティブとの連動していると考えられます。
心が開放的になっているときにリラックスしている状態で緊張度が低くなります。反対に心が塞ぎこんでいるときは、反発のエネルギーを持っているときは緊張度が高く、そうでないときは緊張度が低い(諦めている状態)になります。
例えば少し怒り気味に興奮しているときは、全身に力が入ってしまい、身体が固まったり強張ったりする傾向にあります。そして興奮の度合いが一定の水準を超えると言葉がごもったり、動けなくなったりして、怒っていることをうまく相手に伝えることができなくなります。
一方、音楽のライブイベントに参加したときの興奮しているときはどうでしょう。盛り上がりが最高潮の時でも緊張しすぎることはなく、心身に適度に力が入っている状態ではないでしょうか。適度に興奮して、緊張した時間を過ごした後は、いい意味で疲れてすっきりとして感じになります。(※サウナに入った後のような感じですね。)
このように興奮と緊張は、一概に連動しているわけではありません。緊張は興奮-沈静(冷静)との連動だけで考えるのではなく、次のようにポジティブ-ネガティブとの連動していると考えられます。
興奮/沈静 | ポジ/ネガ | 緊張度 |
興奮 | ポジティブ | 低い |
興奮 | ネガティブ | 高い |
沈静 | ポジティブ | 低い |
沈静 | ネガティブ | 低い |
心が開放的になっているときにリラックスしている状態で緊張度が低くなります。反対に心が塞ぎこんでいるときは、反発のエネルギーを持っているときは緊張度が高く、そうでないときは緊張度が低い(諦めている状態)になります。
ライト・トーナス値について
1910年にシュタインやフェレは光の変化による筋肉の緊張度の変化を「ライトトーナス変化」としてまとめ、光による筋肉の緊張度として「ライト・トーナス値」が用いられました。
一般的に、ライト・トーナス値は次のように説明されています。
この表の中で各色は実際どういう色なのか(色相・明度・彩度)ということや、それがどれくらいの緊張度なのかということが不明で、はっきりとしたことは言えませんが、私たちの経験からも、上から下にかけて緊張度が増すことは受け入れられると思います。
青と緑では緑の方が緊張度が低く感じたり、黄と橙では黄の方が緊張度が高く感じることもあると思いますが、ライト・トーナス値は筋肉の緊張度を計測したものですので、色の印象とは異なります。
一般的に、ライト・トーナス値は次のように説明されています。
色 | ライト・トーナス値 | 状態 |
ベージュ パステルカラー |
23 | 弛緩 |
青 | 24 | 弛緩 |
緑 | 28 | 弛緩 |
黄 | 30 | 緊張 |
橙 | 35 | 緊張 |
赤 | 42 | 緊張 |
この表の中で各色は実際どういう色なのか(色相・明度・彩度)ということや、それがどれくらいの緊張度なのかということが不明で、はっきりとしたことは言えませんが、私たちの経験からも、上から下にかけて緊張度が増すことは受け入れられると思います。
青と緑では緑の方が緊張度が低く感じたり、黄と橙では黄の方が緊張度が高く感じることもあると思いますが、ライト・トーナス値は筋肉の緊張度を計測したものですので、色の印象とは異なります。
ベージュで緊張を解き、自信を持つ
それでは生活の中でライト・トーナス値をどのように活かすとよいでしょうか。
各色に対する人の感じ方にはポジティブ面とネガティブ面があります。例えば赤には「パワー・生命・愛・ドラマチック・意欲的・元気が出る・生気がみなぎる」といったポジティブなイメージと、「怒り・危険・神経過敏・無遠慮・性急」といったネガティブなイメージがあります。
ネガティブなイメージで心が捕らえられているときには、緊張度が高止まりしている可能性がありますので、沈静感のある色、リラックスできる色で緩和することがお勧めです。
赤のポジティブなイメージの場合でも、度が過ぎるとネガティブなイメージになりますので、緩和するタイミングが必要です。
パステルカラーは暖色系、寒色系、中性色系いずれもライト・トーナス値が低いですが、ロマンチックな雰囲気のときは一定の興奮感も感じます。
青はライト・トーナス値が低いですが、鮮やかな青には興奮感を感じます。ベージュはライト・トーナス値は最も低いクラスで、適度な沈静感があります。
ベージュは暖色系の低・中彩度、中明度の色です。彩度を高くすると橙~黄の色相になります(PCCSのトーン概念図参照)。橙や黄は赤の類似色相~中差色相の色で、暖色系になります。多くの木や土の色で自然を代表する色の一つで、私たちのDNAレベルで染み込んだリラックス感を感じる色と言えます。
また、ライト・トーナス値が低い色の中で、皆さんが安心感・安定感を感じる色はどの色でしょうか。ベージュや緑を選ぶ方が多いのではないでしょうか。
何か新しいことや一抹の不安を感じることを行うときには、安心感を覚える色を身近に置いておくことをお勧めしています。赤のポジティブなイメージで乗り切ることもよいのですが、それだけでは度が過ぎる場合や、協働者の中に赤が苦手という人もいます。
ライト・トーナス値が低く安心感のあるベージュを身近に置きながら行動を進めることで、意欲的に推進力をもって行動する気持ちと落ち着いてリラックスして行動する気持ちのバランスを取りやすくなります。
ベージュは自然の色で継続性・常態性を感じる色です。ベージュのイメージを持っていると、自身が体の内側から揺るぎない自信を感じるような気がしませんか。ライト・トーナス値が低いベージュはポジティブな沈静感があり、暖色系で優しさと温かさや物事を諦めずにやり遂げる力を象徴しているような色にもなりますので、効果的に使うことをお勧めします。
各色に対する人の感じ方にはポジティブ面とネガティブ面があります。例えば赤には「パワー・生命・愛・ドラマチック・意欲的・元気が出る・生気がみなぎる」といったポジティブなイメージと、「怒り・危険・神経過敏・無遠慮・性急」といったネガティブなイメージがあります。
ネガティブなイメージで心が捕らえられているときには、緊張度が高止まりしている可能性がありますので、沈静感のある色、リラックスできる色で緩和することがお勧めです。
赤のポジティブなイメージの場合でも、度が過ぎるとネガティブなイメージになりますので、緩和するタイミングが必要です。
パステルカラーは暖色系、寒色系、中性色系いずれもライト・トーナス値が低いですが、ロマンチックな雰囲気のときは一定の興奮感も感じます。
青はライト・トーナス値が低いですが、鮮やかな青には興奮感を感じます。ベージュはライト・トーナス値は最も低いクラスで、適度な沈静感があります。
ベージュは暖色系の低・中彩度、中明度の色です。彩度を高くすると橙~黄の色相になります(PCCSのトーン概念図参照)。橙や黄は赤の類似色相~中差色相の色で、暖色系になります。多くの木や土の色で自然を代表する色の一つで、私たちのDNAレベルで染み込んだリラックス感を感じる色と言えます。
また、ライト・トーナス値が低い色の中で、皆さんが安心感・安定感を感じる色はどの色でしょうか。ベージュや緑を選ぶ方が多いのではないでしょうか。
何か新しいことや一抹の不安を感じることを行うときには、安心感を覚える色を身近に置いておくことをお勧めしています。赤のポジティブなイメージで乗り切ることもよいのですが、それだけでは度が過ぎる場合や、協働者の中に赤が苦手という人もいます。
ライト・トーナス値が低く安心感のあるベージュを身近に置きながら行動を進めることで、意欲的に推進力をもって行動する気持ちと落ち着いてリラックスして行動する気持ちのバランスを取りやすくなります。
ベージュは自然の色で継続性・常態性を感じる色です。ベージュのイメージを持っていると、自身が体の内側から揺るぎない自信を感じるような気がしませんか。ライト・トーナス値が低いベージュはポジティブな沈静感があり、暖色系で優しさと温かさや物事を諦めずにやり遂げる力を象徴しているような色にもなりますので、効果的に使うことをお勧めします。
ライター・編集者
カラーオン Mitsuru
カラーコーディネーター自転車店勤務時代にウェブデザイン・チラシデザインの制作、オリジナルデザイン自転車(TVドラマでも使用)の企画を担当したことから色彩の世界へ。 「色彩が社会を元気にする!」をモットーに、多くの人が色・コーディネート・デザインを楽しめるようにコンテンツをご提供しています。